長らく韓国で生活し、留学→ワーホリ→結婚移民→永住(現在)という順番でビザ(査証)を取得してきました。
今回、夫婦で日本に帰国することになり、妻が日本で生活するために必要な配偶者ビザ(日本人配偶者等の在留資格)を申請することにしました。
結論から言いますと、無事に3年の滞在期間をいただくことができました。
配偶者ビザがあれば、外国人の就労活動の制限がなくなり、日本人とほぼ同じ条件で働くことができるようになります。
で、よくある勘違いなのですが、日本人と結婚すれば、無条件に配偶者ビザが発給されるわけではないのです。入国管理局による書類審査、領事館での手続き、そして入国審査を経てようやく滞在できるようになります。
そのために様々な提出書類を準備する必要があるのですが、行政書士事務所にお願いする方法と自力で準備する方法があります。僕たちは韓国に住んでいて、ビザ申請にも慣れているということもあり、すべて自分たちで準備しました。
ということで、外国人配偶者のビザを申請することを考えている方、韓国からの帰国組で配偶者ビザの申請を準備しているという方のために、僕たちの事例を踏まえながら解説していきたいと思います。
目次
帰国準備=ビザの準備
はじめに今回解説するのは、すでに両国において婚姻届を提出し、かつ韓国から日本に帰国するという前提になります。もし日本で婚姻届を提出していない場合、ビザの申請ができません。
大体準備する書類は決まっているのですが、配偶者の国籍によって提出書類が増えたりすることも十分にありえます。
※他国の場合、準備書類が異なることもありますので、詳細は入国管理局までお問い合わせください!
さて、これからビザの準備を考えておられる方は、まずいつ頃申請して、いつ頃入国するつもりなのか、二人できちんと話し合っておくことをおすすめします。そうしないと、
- 賃貸契約の解約日をいつにするのか。
- 日本の新住居をどうするのか。
- 会社勤めの場合、いつ頃離職できるのか。
などなど、、計画がうまく進まなくなってしまうからです。
ちなみに配偶者ビザを申請してから受け取るまで、最短2ヶ月〜はかかるものと考えておきましょう。これはもう担当する部署によりけりですが、時間がかかるときはかかりますし、不備書類があれば大変です・・
例えば僕たちの場合は、
4月に入国予定→1-3月で一時帰国して物件探し(仮契約)→1月中にビザ受け取り→11月中に申請
こんな感じでゴール(帰国日)から逆算してビザの申請日を決めました。なので、家の解約は3月、仕事も3月まで、日本に一時帰国する日は・・といった流れで大方のスケジュールを練りました。
そうだ。大事なことを言い忘れていましたが、配偶者ビザ(正確には在留資格認定証明書)が交付された日から3か月以内に上陸申請をしないと、せっかく申請したビザの効力が失われてしまうので注意してください。
※在留資格認定証明書を受け取ってから3ヶ月以内に日本に入国する必要があります。
配偶者ビザを申請するまでの流れ
これまで便宜上、「配偶者ビザの申請」と説明してきましたが、実はビザを受け取るまでには、
- 入国管理局において在留資格認定証明書の交付申請
- 配偶者の出身国にある日本領事館にてビザの申請
という2ステップをクリアしなければなりません。
※もし何らかの滞在資格(留学、ワーホリ等)で日本に住んでいる場合、在留資格の変更になりますので、詳細は入国管理局の方にお問い合わせください。
STEP1 在留資格認定証明書の交付申請
まずは入国管理局に対して在留資格認定証明書の交付申請を行います。この証明書の交付を受けることなく領事館でビザの発給は基本的に無理です。
そもそもなんでこんなにややこしいのか。
ひとつは偽造結婚によるビザ申請の問題。冒頭でも書いた通り、配偶者ビザさえあれば、日本において就労制限は撤廃されます。ということは、日本で合法的に働くためだけの目的で配偶者ビザを申請する。。残念ながらこのようなケースが後を絶たないそうです。
ステップ2 大使館・領事館でビザの申請
なので入国管理局で厳格に調査した上で、問題ないと判断されればお墨付きがもらえます。ただ入国管理局も配偶者の国の情報までは把握しきれていないので、各国領事館で最終判断を仰ぐ、、という感じなのではないでしょうか。
そのために審査する側も一定の基準をもって判断しています。
- 日本で生活するために安定した収入があるのか
- 婚姻の真実性
要は日本で生計を維持するための収入(仕事)があるのか。交際期間が短い、二人で写った写真がない、家族が結婚相手のことを知らない、馴れ初め話がうさんくさい。。などなど審査官を疑心に掻き立てる要件があれば、却下される可能性が高まるでしょう。
逆にいうと、ふつうに仕事していて、普通に恋愛して、普通に結婚して、、というカップルであれば、問題なく認可が下ります。
なのでポイントは、ステップ1の在留資格認定証明書交付申請(名前がなげぇー)が通るかどうか。これさえ通過すれば、領事館で必要書類さえ提出すれば、すんなり配偶者ビザが出ます。
ということで、提出書類についてみていきしょう。
在留資格認定証明書交付申請で準備すべき書類
提出書類
- 在留期間更新許可申請書 1通(→法務省HPからダウンロードできます)
- 申請人(外国人)の写真(縦4cm×横3cm)1枚
- 配偶者(日本人)の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
- 申請人(外国人)の国で発行された結婚証明書 1通
- 配偶者(日本人)の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
- 配偶者(日本人)の身元保証書 1通(身元保証書のダウンロードはこちら)
- 配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し 1通(マイナンバーは省略)
- 質問書 1通(質問書のダウンロードはこちら)
- スナップ写真(夫婦で写っており、容姿がはっきり確認できるもの)2−3通
- 392円切手(簡易書留用)を貼付した返信用封筒
以上が法務省ホームページの在留資格認定証明書交付申請(日本人の配偶者)に記載されている内容です。あとは各自の置かれている状況によって提出書類が異なると思うのですが、僕たちの場合、どのような書類を準備したのかについて参考までに書いておきます。
日本人・韓国人ともに韓国に滞在し、親族に代理申請してもらう場合
ふたりとも外国に居住している場合、両親にお願いすることが増えると思います。
少なくとも、
・戸籍謄本を代理申請し、韓国へ郵送してもらう
・392円切手(簡易書留用)を貼付した返信用封筒の準備してもらう
・日本に提出書類を送り、入国管理局窓口で代理申請してもらう
・出来上がった在留資格認定証明書を韓国へ郵送してもらう
これらのことをやってもらうことになるので、お願いできる場合はきちんとお願いしましょう。もし何らかの事情でそれが難しいというのであれば、専門業者にお願いするか、日本に行って直接申請しなければなりません。
僕たちの場合、父親にお願いしました。戸籍謄本を申請するたびに父親にお願いしているので、いつも手慣れた感じでやってくれて感謝です!
- 1と2・・・許可申請書はプリントアウトして記入。写真は韓国の写真館で撮影。
- 3・・・韓国で戸籍謄本を申請することができないので、日本にいる親族にお願いする、もしくは本籍地のある市役所等に直接出向く必要があります。その際に一番気をつけないといけないのは、申請人(奥さん)との婚姻事実が記載されていること。だいたい婚姻届が受理されてから、1-2週間以内には記載されると思います。あと発行から三ヶ月以内のものじゃないと受理されません。
- 4・・・韓国の住民センターなどで、婚姻関係証明書をもらいます。日本語に翻訳する必要もあるので、お二人で翻訳し、翻訳者の名前を記入すればオッケーです。
※婚姻関係証明書は、今後日本で転入届を出す時にも必要になります。翻訳したフォーマットをPCに保存しておけば、翻訳する手間が省けます。
- 5・・・これが一番の問題でした。なぜなら韓国にいるので当然日本の所得証明書は提出できないからです。方法としては、韓国の所得証明書を提出する、韓国の銀行残高証明書を提出する方法があります。僕たちは銀行残高証明書を提出しました。
※ここでおそらく気になるのが、どのくらいの額の残高証明書を提出すればいいのかではないでしょうか。韓国でF-6ビザを申請する際には世帯年収などの基準値がありましたが、日本の場合、特に基準が書かれていないようです。とはいえ金額が少なすぎると怪しまれると思うので、僕たちの場合はとりあえず$15,000で出しました。
- 6・・・身元保証書で、気をつけるべき点としては
(1)氏名と国籍は外国人配偶者(氏名はパスポートと同じアルファベットで記入)
(2)身元保証人は日本人配偶者
(3)最後に押印を忘れないこと(シャチハタ以外の印鑑で) - 7・・・海外転出届を提出している場合、日本の住民票はなくなります。この場合、提出することができないので、住民票が提出できない事情を一筆添えてくださいと言われました。
- 8・・・質問書で一番やっかいなのが「結婚に至るまでの経緯」いわゆる馴れ初め書きというやつです。直接ペンで書いてもいいですし、ワードで書いてからプリントアウトしたものを提出してもかまいません。大体、このあたりで偽装結婚かどうか見破られるそうなので、真面目に書きましょう。いつ、どこで、どうやって出会ったのか、日付もきちんと書きながら書くと、信憑性がます、、といってもありのままに書くしかないのですが、僕の場合、A4用紙2枚書いて提出しました。
- 9・・・スマホとデジカメで撮った写真をプリントして、一応どこで撮った写真なのか、いつ頃の写真なのか注釈も加えて出しました。個人的には両親とも写っている写真を出せばいいのかなと思います。
- 10・・・韓国で日本の切手は購入できないので、日本にいる親族(父親)にお願いしました。
以上が僕たちが実際に準備した書類になりますが、それ以外に準備したものとしては、
- JLPT(日本語能力試験)合格証明書のコピー
- 外国人配偶者のパスポートのコピー
- 代理申請する場合、代理人の身分証明書並びに戸籍謄本
JLPTは一応、日本語でコミュニケーションできますよという客観的な資料。提出義務はありませんが、一応補完資料として提出。パスポートのコピーは後日、父親に言われて入管事務局に提出しました。
最後に代理申請する場合、代理人の身分証明書(免許証など)と申請人との関係を示す戸籍謄本が必要だと言われたので、父親に事前に伝えておきました。
ここまででようやく配偶者ビザを取得する第1ステップが完了です。(まだあります!)
日本大使館・領事館でビザの申請
もうこのあたりで読むのも疲れてしまっているかと思います。僕も疲れてきました・・
といっても、領事館でのビザの申請は入国管理局での手続きに比べると楽なので安心してください!
ちなみに在留資格認定証明書ですが、大体2ヶ月で出るようです。僕たちもちょうど2ヶ月後に実家に送られてきて、その後、韓国に郵送してもらいました。
それから必要な書類を準備して在韓国日本領事館にいってビザの申請をしてきました。
提出書類
- 申請書 1部(領事館内においてありますが、最近ビザ申請する人が多いので、事前にプリントして記入しておくことをおすすめします。PDFはこちら)
- 申請人(韓国人配偶者)のパスポート
- 写真1枚(入国管理局に出したのと同じ写真でもかまいません)
- 申請人の住民登録謄本、住民登録証明書表裏写し、住民登録抄本のいずれか1つ
- 在留資格認定証明書の原本
- 上のコピー1部
これらをそろえて窓口に提出します。すると、受け取りに必要な書類がもらえるので、後日、在留資格認定証明書をパスポートに添付して返却してくれます。これをもって配偶者ビザの申請は完了です!
おわりに
最後まで読まれた方、お疲れ様です。
ビザの申請は結局、必要な書類がきちんと準備できているのかにかかっているので、最低限必要な書類は全部そろえて提出するようにしましょう。
僕も韓国で何度か経験がありますが、書類不備で出直すのは結構ダメージが大きいです笑。そうならないためにも、法務省ホームページ、また入国管理局に直接問い合わせた上で提出しましょう。
最後に繰り返しになりますが、在留資格認定証明書が発行されてから3ヶ月以内に入国しないと、また一からやり直しになってしまいます。その点だけ気をつけて帰国準備を頑張ってください!